シサクウェアでは,技術の実用化を目指した研究を積極的に行っております.
ここでは,取り組んでいる研究の一例を紹介します.
1.位置推定技術
RTK-GNSS(Real Time Kinematic -GNSS)や,SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などの既存の位置推定手法では,屋外環境で正しく動作しない環境下があります.例えば,RTK-GNSSは,高い建物や崖の周辺・屋根下では,衛星データが得られず推定できません.また,SLAMは,連続した特徴を持つトンネルや,何も得られない平野では,推定が破綻する恐れがあります.
そこで,そのような環境で適用が可能な位置推定技術の開発を行っています.本推定システムでは,環境にセンサポッド(3DLiDARやIMUなどを搭載したデバイス)を設置し,得られた情報を統合することで,推定する事が可能です.
また,自動化を行うためには,位置推定だけでなく,障害物や土砂山など環境全体の情報を推定することも重要です.本システムであれば,位置推定だけではなく,同時にこれらの情報を得ることができます.
複数台・複数車種のリアルタイム推定
推定したい車両の3Dモデルデータを準備するだけで,「位置・姿勢・速度」のリアルタイム推定を実現できます.同じ点群データから,複数台・複数車種の車両の位置推定も可能です.
2.レトロフィット装置による建機の自動化
ICT建機の導入は少しずつされていますが,建機の使用年数は長いため,現場では,既存の建設機械が現役で働いていることが現状です.
そこで,既存建機を自動化するための後付装置(レトロフィット装置)を開発しています.
また,油圧系特有の時間遅れや,むだ時間などの補償器を含む追従制御技術を開発し,自動化を行っています.
研究論文
- Masahiro Inagawa, Keiichi Yoshizawa, Tomohito Kawabe, Toshinobu Takei,”Automatic calibration of 3D-LiDARs installed in the environment for position estimation of construction vehicles”. Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.36, No.2, 2024 (in press)
- Inagawa Masahiro, Tomohito Kawabe, Toshinobu Takei. “Demonstration of localization for construction vehicles using 3D LiDARs installed in the field”. Journal of Field Robotics. (2023).
- Inagawa Masahiro, Tomohito Kawabe, Toshinobu Takei, Keiji Nagatani. “Demonstration of position estimation for multiple construction vehicles of different models by using 3D LiDARs installed in the field”. ROBOMECH Journal 10. (2023).
- Murayama Hiroto, Tomohito Kawabe, Masahiro Inagawa, Keiichi Yoshizawa, Munehiro Ishibashi, Toshinobu Takei, Keiji Nagatani. “Demonstration of Snow Removal Work by Wheel Loader in an Environment Surrounded by Obstacles”. Journal of Robotics and Mechatronics 35. (2023): 1251-1266.